「ゲストハウス品川宿」など東京・品川で4軒のゲストハウスを開業し運営してきたノウハウと、他の事業者のゲストハウス開業を支援してきたノウハウをまとめた。ゲストハウスは「インバウンド比率が高く、他のゲストとの交流を重視した空間設計がなされているのが特徴」という。
再訪したくなる宿の条件として、「一元化されたサービス」「ローカルの日常に触れる体験」「血の通ったコミュニケーション」「地域の人々の価値観を理解しようと努める姿勢」の四つを挙げる。一元化されたサービスの利点については、「フロント、ベッドメイキング、ダイニングなど部門ごとに担当者を付ける分業体制よりも、チェックインからチェックアウトまで1人のゲストに対して1人のスタッフが寄り添う一元体制の方が、ゲストのわずかなサインを見逃さずに潜在的なニーズを満たすことができ、高付加価値を生み出しやすい」と指摘する。
開発支援事業のケーススタディでは、5事例を紹介。福島県・土湯温泉の「山水荘」が2018年10月にオープンした、温泉付きゲストハウス「Yumori Onsen Hostel」の事例も取り上げている。
著者の渡邊崇志氏は宿場JAPAN代表取締役、前田有佳利氏はゲストハウス情報マガジン「FootPrints」代表。
発行は学芸出版社。四六判288ページ。定価は2300円(税別)。